技術紹介

現場テラゾー仕上げのテクスチュア

 

意匠性の高いテクスチュアが表現できる高級仕上げ

現場テラゾー仕上げと研ぎ出し仕上げとの最大の違いは、練り合わせる種石の大きさにある。テラゾーで使用されるのは15mmのふるいを通過する大きさの種石。それだけに種石という素材の持ち味を十分に活かした、より意匠性の高いテクスチュアが表現できる。その意味では、より現代的な表現に可能性を見いだせる工法と言えるだろう。

 

美濃黒石テラゾー仕上げ
歩掛 2m2/人日
特徴 種石と顔料を練り合わせたものをモルタル下地に塗り付け、硬化したところを研磨している。
1カナリヤ石   2白サンゴ石   3黄立山石
4アワビ貝   5鎧石   6寒水石   7黒大理石
8紅サンゴ石   9加茂更紗石   10白鷹石   11オニックス石
12鳴戸石   13国華石   14白滝石   15黒加茂石
16吉野桜石   17牡丹石        

 


 

現場テラゾー仕上げ
磨耗に強いうえ、自然の素材感を用いたさまざまな意匠が可能。
■特色
大理石などの砕石とセメントを混練りしたものを塗り付け、硬化後に表面を研磨・艶出しして仕上げる工法。磨耗に強く、耐久性に優れているうえ、砕石の種類や着色顔料の選定によって、自然な素材感と豊かな表情を出すことができる。とりわけその意匠性の高さから、広範な用途に適応する工法と言える。
■適した部位
主にコンクリート構造の床・壁・腰などに用いられる。
■性能評価
混入する種石が高品質な骨材としての機能を持つため、セメント以上に耐久性が高く、防火性にも優れている。
■施工工程
床面の現場テラゾー工法には、下地床面に直接セメントモルタルを塗って密着させる「密着工法」のほか、床面にルーフィング類を敷き、その上にモルタルで下塗りをする「絶縁工法」、床面に5~6mm厚の砂を敷き、その上に下塗りモルタルや砂利を混和したモルタルを塗り籠める「中間工法」などがある。目地施工は下塗りの前日に行っておき、固練りの塗り材を叩き締めながら塗り付けていく。一般にテラゾー全体の塗り厚は、40~50mm程度が必要とされている。
施工工程断面図
(床面密着工法:コンクリート下地の場合)
施工工程フローチャート
(床面密着工法:コンクリート下地の場合)
■下地
主にコンクリート下地、コンクリートブロック下地のほか、セメントモルタル下地に適用される。床面施工の場合は特に、下地が平滑に仕上げられていることを確認し、凹凸がある場合は、付け送りを行う。
■材料と調合
 
セメント
川砂
白石セメント
種石
下塗りモルタル
1
テラゾー塗材
1
2~2.5

床テラゾーには、15mmのふるいを通過する大きさのもので、磨耗性の低いテラゾー用種石を使う。広く採用されているのは、カナリヤ石・オニックス石など。調合では水を少なくし、モルタルの混練りよりやや固めに行う。下地モルタルに混入する川砂の粒度は、荒目のものを使用する。

■仕上げ
テラゾーに用いる種石はサイズが大きいため、上塗り付けでは、目地棒より1~1.5mm高く塗っておく。続いて、塗り材をコンクリートのように打ち込んで種石と種石の間を密着させる。目地棒の際や継ぎ目の角は、鏝かバイブレーターで叩いて十分に締め込んでいくことが肝心である。硬化時間をよく取った後、小形研磨機やその他の工具を使って荒研ぎにかかる。40~60番の金剛砥石で研いだ後、表面をよくふき、目つぶし粉を擦り込んで目つぶしを行う。数日放置した後、180番または220番の砥石を使って、中研ぎし、上塗りと同じ調合のセメントで目つぶしする。乾燥後、300番砥石で研ぎ上げ、浄源寺砥石で仕上げる。仕上げ後は、しゅう酸などでアク止めを行い、最後に艶出しのためのワックス処理を施す。
■メンテナンス
亀裂や剥離を避けるために目地区画の大きさは、なるべく1m×1m以内に収める。腰および壁への施工で下地が木造の場合は、亀裂が生じそうな個所を見計らって目地を入れておく。表面の艶出しにはワックスを薄く塗り、フェルト様の布で擦り込む。
目地入れの作業 テラゾー塗材上塗りの施工 荒研ぎの作業
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合成樹脂塗仕上げのテクスチュア

 

柔軟性と融通性が高く、さまざまな色彩・テクスチュア表現が可能

合成樹脂床塗材の種類は数多く開発されており、さまざまな色彩・テクスチュアの表現が可能。塗り材それ自体が接着剤としての機能を持っているだけに、いろいろな骨材を混入させて多彩なテクスチュアを得ることができる。

 

合成樹脂床塗仕上げ
特徴 エポキシ樹脂系合成樹脂を硬化剤と混合した後、天然石骨材とよく混練りしたものを、鏝塗りして仕上げる。骨材により多彩なテクスチュアを表現できる。
1   2   3   4
5   6   7   8
9   10   11   12
13   14   15    

 


 

合成樹脂床塗仕上げ
耐久性と柔軟性に優れ、多彩なテクスチュアの選択が可能
■特色
合成樹脂の床塗材は、パネルなどの工場生産品と比べて継ぎ目がないうえ、現場での「おさまり」が利くというメリットがある。また耐久性にも優れ、下地に対する接着性も高いことから適応範囲は幅広い。製品によっては多彩なテクスチュアが表現できる意匠性の高いものもあり、用途によってさまざまに選択できる。ここでは骨材として天然石を使用したものを紹介する。
■適した部位
主としてコンクリート、モルタル下地の床・歩道・プールサイドなどに用いられる。
■性能評価
広く使われているのは、酢酸ビニル樹脂系、エポキシ樹脂系、合成ゴム樹脂系の三つの系統で、いずれも耐久性の点で優れており、製品によっては耐薬品性や防水性も高い。天然石使用の製品は透水性、ノンスリップ性に優れる。
■施工工程
原則として下地は十分に乾燥させておく。また樹脂の粒子は極めて細かく流動的であるので、下地の接着面は、金鏝などで十分に押さえ込むなどして平滑にする。加えて、各塗りの層の硬化や乾燥は十分に行い、ほこりや油脂などが付着しないように留意して作業を進める。また製品による可使時間を守って使用すること。
施工工程断面図
(エポキシ樹脂系:コンクリート下地の場合)
※モルタル塗りを省き、コンクリート直押仕上げとする場合もある。
施工工程フローチャート
(エポキシ樹脂系:コンクリート下地の場合)
■下地
コンクリートはじめ、セメントモルタル、ALCパネル、PLパネルなどあらゆる種類の下地に適応できる。
■材料と調合
製品ごとに差異はあるものの、材料は、合成樹脂+触媒+添加剤という主材に加えて、骨材+顔料を配合するというのが基本的な組成である。
■仕上げ
樹脂の中でも特に速乾性のもの(エポキシ樹脂系など)は、施工時間が限定されるので、素早く塗り付けていく必要がある。所要量を均一に、地ムラや饅ムラなく平滑になるように留意する。樹脂系材料の一般的な特徴として、硬化は速いが、過酷な使用に耐えるまで硬化するには1週間から2週間ほどかかる場合がある。そのため施工完了後は、表面にワックスをかけたり、ビニールシートをかけるなどして養生を必要とする場合がある。
■メンテナンス
合成樹脂自体の収縮率はごく小さいものだが、下地が収縮してひび割れると表面にもクラックが生じやすいので、事前に施工の段階で下地の処理を十分に施しておく必要がある。
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ローラー仕上げのテクスチュア

 

豊富な形状のバリエーション。工法上の工夫でより豊かな表情が得られる

現在、外装仕上げの主流になっている建築用仕上げ塗り材は、ローラー仕上げを施すことにより、さまざまな立体紋様を中心に豊富な形状のテクスチュアが得られるようになっている。同時に、防水性をはじめとする機能性も追求され、用途に応じた選択肢の幅は相当広い。材料の性質により、テクニックを存分に活かした仕上げが可能である。

 

ローラー仕上げA
歩掛 10m2/人日
特徴 塗り材の素材感と各種デザインローラーによる立体紋構との組み合わせで、種々のナクスチュアが創り出せる。
ローラー仕上げB   ローラー仕上げC   ローラー仕上げD   ローラー仕上げ(ヘッドカット)E
ローラー仕上げ(ヘッドカット)F   ローラー仕上げ(ヘッドカット)G   ローラー仕上げ(ヘッドカット)H   ローラー仕上げ(ヘッドカット)I
ローラー仕上げ(ヘッドカット)J   ローラー仕上げ(ヘッドカット)K   ローラー仕上げ(ヘッドカット)L    

 

ローラー仕上げ
求められるニーズに応じて、多様なテクスチュアが選択可能
■特色
仕上げ塗り材は近年になって開発が進み、現場のニーズにしたがって多種多様な色・光沢・性質を持った製品が市場に出回るようになった。そのうち造形的なニーズに応じて、ローラーによりさまざまなテクスチュアを表現する工法がローラー仕上げである。仕上げ塗り材の表面をローラーで押さえる工法が基本で、意匠性の高い各種パターンが形成される。
■適した部位
仕上げ塗り材が用いられる内外壁で、特に人目にさらされる部位。
■性能評価
各仕上げ材に定められた施工工程をいかに正確に行うかで、仕上げのよしあしはもちろん、耐久性が決定する要素が大きい。
■施工工程
大きく分類すると、仕上げ塗り材仕上げには単層仕上げ塗りと複層仕上げ塗り工法がある。前者を単純に言えば、材料を平面に塗り付けることで完結するわけだが、その際、工法上のテクニックとしてパターンローラーを使用することにより、多彩な表情を壁面に創り出すことができる。後者では、テクスチュアのパターンを形成する中塗り工程で用いられるのが一般的である。
施工工程断面図
(複層仕上げ塗り:コンクリート下地の場合)
施工工程フローチャート
(複層仕上げ塗り:コンクリート仕上げの場合)
■下地
多様な下地に適応するが、製造業者の指定する下地を使用するのが基本。仕上げ材の結合材がセメント系か合成樹脂エマルション系であるかによって、適する下地が異なるので注意を要する。下地によっては、表面の吸収性を均一にするためのシーラー塗りを施す場合もある。
■材料と調合
基本的には既製品の材料そのものを使用する。製品によっては有色もしくは透明塗料を上塗りして、発色や艶出しを図ったり、耐久性を高めることもある。
■仕上げ
仕上げ材を鏝塗りした後、ローラーで転圧しパターンを形成する場合は、一度に大きな面積を施工すると均一な塗り厚になりにくいので注意する。ローラーによる塗り付けは、ローラーの紋様に応じてくばり塗りし、その後同じローラーで塗り厚をならしていく。また、ローラーによる凸部処理(ヘッドカット)は、見本を参考にしながら仕上げ材の定着の具合を確認したうえで、タイミング良く行う。
■メンテナンス
材料に含まれる顔料や骨材が均等に分散していないと、色ムラや紋様ムラが生じる。現場での試し塗りを必ず行うことが肝要。指定された塗り量と施工法を守り、均一に塗り付けるように留意する。
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珪藻土塗のテクスチュア

 

多様な仕上げに適応し、豊かな表情を持ったテクスチュアを表現できる

珪藻土は、素材的にはセメント系と土壁系の両方の特質を備えており、骨材や施工方法を工夫することでさまざまなテクスチュアが表現できる。一般的な仕上げとしては、擬石調仕上げ、砂岩状仕上げのほか、土壁風の仕上げも可能。仕上がり具合は、手間と時間をかければそれだけより良いものが得られる。

 

珪藻土掻き落とし仕上げ
歩掛 3m2/人日
特徴 仕上げ材を平滑に鏝塗りして硬化した後、ワイヤブラシで表面をブラッシングする。優しい趣のある表情が魅力的。
珪藻土撫切り仕上げ   珪藻土磨き仕上げ   珪藻土床叩き仕上げ
歩掛 3m2 /人日
特徴 表面を鏝で軽く撫でることで、独特の乾いた質感が強調されたテクスチュアが表現できる。
  歩掛 2m2 /人日
特徴 上塗り材を鏝で数回にわたって磨くことで、土壁とは違った微妙な色調や質感を得られる。
  歩掛 3m2 /人日
特徴 仕上げ材を叩くように十分に圧力を加えて塗り籠め、表面のノロをふき取って仕上げる。ふき取り方で多様な表情が出る。
珪藻土引摺り仕上げ        
歩掛 3m2 /人日
特徴 表面を引き摺ることで微妙な凹凸ができ、重厚でありながら安らぎと優しさを感じさせる仕上げが得られる。
       

 


 

珪藻土塗
施工性に優れ、自然の風合いを生かした多様な仕上げが実現
■特色
珪藻土に炭素繊維を補強材として混入した仕上げ材を用いる、近年開発された新しい工法。珪藻土の持つ保温・断熱・防露・調湿・防音などの機能を活かしながら、自然の土ならではの豊かな味わいや風合いを表現できる。また、骨材や各種混和剤の調合により、伝統的家屋から現代建築まで様式や用途を問わず、意匠性の高い仕上げを実現させることができる。
■適した部位
用途別に仕上げ材が製品化されており、内外壁や床・天井・塀など、幅広い適応性を持っている。
■性能評価
珪藻土はその表面に微細孔が無数にあるため、断熱・保温機能をはじめ、防露・調湿・遮音、脱臭機能など数々の特長を備えている。
■施工工程
外装および床仕上げの場合、乾きの遅い冬場はなるべく午前中に塗り付けを終えておく。施工後、数日間は、雨雪にさらされないように養生が必要。逆に夏場など急速に乾く環境下では、シートがけで養生する。内装仕上げでも同様に、冬場や水気の多い場所では施工後、通風を良くし、低温下では暖をとる
施工工程断面図
(内装仕上げ:石膏プラスターボード下地の場合)
施工工程フローチャート
内装仕上げ:石膏プラスターボード下地の場合
■下地
適切な処理を施せば、ほとんどの下地を使用できるが、内外装仕上げにおけるコンクリート下地への直接の塗り付けは不可。石膏プラスターボードを下地に使う場合は、継ぎ手部分を木工ボンド接着したり、ジョイントテープを貼り付けるなどの処理が必要。また、外装用仕上げ材にプラスターボード下地を使う場合は、カチオン系の下地調整材を使用する。
■材料と調合
珪藻土は吸水性が高いため、外装用仕上げ材には吸水防止剤を混入する。その際、要求される表情により硅砂や骨材を選択し、練り合わせる。内装仕上げ材は接着剤を希釈した液で混練りする。藁スサを加えることもある。
■仕上げ
【外装仕上げ】ブラッシングによる擬石調仕上げが主流だが「砂岩状仕上げ」「地層風仕上げ」「木肌仕上げ」など、骨材や施工法を工夫して多様なテクスチュアが表現できる。
【内装仕上げ】梨目の柔らかい風合いが表現できるペンギン鏝による「撫切り仕上げ」をはじめ、鏝で押える「漆喰調仕上げ」、藁スサを入れた「土壁風仕上げ」のほか、表面の掻き落とし、盛り付け・型押し、スポンジによるサークル仕上げなど、塗り壁のさまざまな表現が可能。
【床仕上げ】「叩き仕上げ」が主流。山砂を混合した仕上げ材を叩くように徐々に塗り籠めた後、ブラシでノロを取り、湿らしたスポンジでぬぐって仕上げる。乾燥後は、表面硬化剤を塗布する。
■メンテナンス
外装の場合、湿気の多い環境では表面にカビが発生する可能性がある。これを防ぐためには表面に撥水処理を施す。
珪藻土仕上げ材擦り塗りの施工 筋入れ仕上げの作業
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人造石洗い出し仕上げのテクスチュア

 

自然石のプリミティブな質感と肌合いを豊かに表現

洗い出し仕上げとは、種石を練り合わせたモルタルを上塗りし、それを洗い出して、自然な風合いを再現しようとするもの。混入する種石の大きさや種類によって多彩なテクスチュアを得ることができるとともに、プリミティブな質感と肌合いが表現できる。さまざまな建築物に幅広い用途が見いだせる仕上げである。

 

御影石洗い出し仕上げ
歩掛 2.5m2/人日
特徴 セメントに御影石の砕石を練り合わせたものを塗り付け、十分に押さえ込んだものを噴霧器を使い洗い出している。
1大磯石   2洗砂利   3御影石
4錆御影石   5那智黒石   6寒水石
7カナリヤ石        
 

 


 

人造石洗い出し仕上げ
混入する種石により、高級建築に適した豊かなテクスチュア表現を提供

 

■特色
種石とセメント、石灰を混練りしたものを塗り付け、その表面を水洗いすることによって、均質な工業材料にはない天然石のような豊かな表情を創り出す工法。混入する種石の種類や粒程度によってさまざまな表情を出すことができ、独特の品格や存在感が得られる。高級建築に適した仕上げを提供でき、耐久性・防火性にも優れている。

 

■適した部位
主に外壁部のほか、床・塀・天井などの施工用途がある。構造上大きな力のかかる部位にも適用できる。

 

■性能評価
混入する種石が高品質な骨材としての機能を持つため、乾燥収縮によるひび割れに強く、セメント以上に耐久性が高い。防火性にも優れている。

 

■施工工程
下地の清掃と処理を十分に行った後、下塗りと中塗りをセメントモルタルで行う(コンクリート下地、ラス下地の場合)。上塗り材料は付着性が低いため、セメントペーストやモルタルのアマ擦りを行い、追い掛けで上塗りを施していく。同時に、目地を適当な大きさに切っておき、木製の目地棒をセメントペーストやモルタルで固定する。上塗り後、鏝で表面を撫でたうえ、刷毛でノロをふき取り、丹念に伏せ込みを行う。伏せ込みは2~3度行い、種石の並びや頭をそろえる。
施工工程断面図
(コンクリート下地の場合)
施工工程フローチャート
(外壁の場合)
■下地
コンクリート、コンクリートブロック下地のほか、各種ラス下地(菱形ラス・メタルラス・ラスシート・リブラス・特殊ラス)が用いられる。それぞれの下地処理については「セメントモルタル塗」の項に準ずる。

 

■材料と調合
 
セメント
消石灰または石粉
砕石
外壁の場合
0.6
0.4
1.0~1.3
床の場合
1
0
1.2~1.5

混入する種石には、大磯石、御影石、那智黒石のほか、寒水石・カナリア石などの大理石、小砂利などがある。種石の種類によって異なる顔料を用いる。

 

■仕上げ
上塗り後、表面が硬化した頃合いを見て、まずブラシで表面のノロを軽く取り、噴霧器を使って洗い出しを行う。円形を描くように水を吹き付けていき、種石がきれいに浮き出るように表面を洗い流す。洗い汁が表面に残留すると剥落の原因になるので、十分に洗い落としておく(壁の上部などの高さのある箇所を施工する場合は、その下部に洗い汁がかかるのを防ぐため、薄紙を張り付けておくか、板で樋を作っておくて良い)。その後、水引き加減を見て、目地角を痛めないように留意しながら目地棒を静かに抜き取っていく。表面に残ったアクを取るには、10倍に希釈した塩酸を使用すると、ムラなくきれいに仕上げることができる。洗い出し仕上げでは、仕上がった壁面が原石に見えるように施工することを最上とする。

 

■メンテナンス
乾燥収縮によるひび割れは、正しく目地割り・目地入れを行うことで、その大半を防ぐことができる。目地棒はセメンペーストかモルタルで固定するが、その範囲をできるだけ狭くとどめておく(これを広くとると目地周辺から浮きが生じることになる)。

 

洗い出し材料作りの作業 洗い出し材上塗り(伏せ込み)の施工 洗い出しの作業

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人造石研ぎ出し仕上げのテクスチュア

 

しっとり落ち着いたたたずまい。天然の品格を備えた仕上げ

自然石の風合いを再現した仕上げであり、種石の選定によって存在感や格のある独特のテクスチュアが得られる。工程が多く手間と工期がかかるため、近年では施工される例も決して多くはないが、しっとりと落ち着いたそのたたずまいは、品格を備えた仕上げ工法として、再び見直される価値が十分にある。

 

カナリヤ石研ぎ出し仕上げ
歩掛 2m2/人日
特徴 微妙な色調が味わい深いカナリヤ石を、白セメントおよび顔料と練り合わせ研ぎ出した仕上げ。上品な風合いが魅力。
1カナリヤ石   2白サンゴ石   3黄立山石
4アワビ貝   5鎧石   6寒水石   7黒大理石
8紅サンゴ石   9加茂更紗石   10白鷹石   11オニックス石
12鳴戸石   13国華石   14白滝石   15黒加茂石
16吉野桜石   17牡丹石        

 

人造石研ぎ出し仕上げ
耐久性が高く、自然な素材感と味わい深い品格を備える
■特色
表面仕上げ層に種石を混入したモルタルを上塗りし、それを研ぎ出して自然な素材感を出す工法。工場生産の均質な塗り材にはない質感が魅力で、経年変化により味わい深い表情を見せる。塗り材に混入する種石の大きさは3~10mm程度。住宅の玄関床や社寺の階段、水槽などに多く施工されてきたもので、高級建築にも適した工法と言える。
■適した部位
外壁部のほか、柱、床、幅木などの施工用途に適用される。このほかにも天井や軒、階段などでも、主に蛇腹引きされた、繰り型の研ぎ出し工法を施すこともある。
■性能評価
セメントモルタルは乾燥収縮でひび割れしやすい性質を持つが、研ぎ出しの場合、混入する種石が高品質な骨材としての機能を持つため、セメント以上に耐久性が高く、特に摩耗に強い。防火性にも優れている。
■施工工程
下地の清掃と処理を十分に行った後、下塗りと中塗りをセメントモルタルで行う(コンクリート下地/ラス下地の場合)。上塗り材料は付着性が低いため、セメントペーストやモルタルのアマ擦りを行い、追い掛けで上塗りを施していく。前もって目地を適当な大きさに切っておき、真ちゅうあるいは木製の目地棒をセメントペーストやモルタルで固定しておく。上塗りの際には、塗り厚の取り過ぎが剥落の原因にもなるので、十分留意する。
施工工程断面図
(コンクリート下地の場合)
 
施工工程フローチャート
(外壁、土間・床の場合)
■下地
コンクリート、コンクリートブロック下地のほか、各種ラス下地(菱形ラス・メタルラス・ラスシート・リブラス・特殊ラス)が用いられる。それぞれの下地処理については「セメントモルタル塗」の項に準ずる。
■材料と調合
 
砕石
セメント

カナリヤ石1.2~1.5
1(白色)
寒水石1.2~1.5
1(白色)

研ぎ出し用の種石には、カナリヤ石をはじめ、寒水石などが使われる。着色剤を使用する場合は、種石の色より淡くなるように調合するのが良い。

■仕上げ
種石と種石との間に隙間がないように人造鏝で上塗り材をよく伏せ込み、ブラシでセメントノロを取り除いたうえでよく押さえ込んでおく。種石を均一に密着させることがポイント。その後、乾燥期を経て研ぎ出しにかかるが、寒水石のように比較的軟質の種石は約1日、硬質の種石は約2日間の乾燥期間をおく。冬場はそれ以上の日数をかける必要がある。研ぎ出しは研磨機やグラインダーを使って、60番砥石で荒研ぎする。荒研ぎ後の表面には無数の空気泡が出るため、上塗りと同じ調合のセメントノロでこれらを目つぶしする。次に中研ぎとして、120番砥石を使って表面をより平坦に研ぎ出した後、300番砥石で研ぎ、最後に浄源寺砥石で仕上げる。艶出しには、しゅう酸でアク止めを行い、ワツクス仕上げなどの処理を施す。
■メンテナンス
乾燥収縮によるひび割れは、正しく目地割り・目地入れを行うことで、その大半を防ぐことができる。目地割りは、その範囲をできるだけ狭くとどめておくと目地周辺から浮きが生じることがない。
モルタル中塗りの施工 研ぎ出し材上塗りの施工 ノロ取りの作業 研ぎ出し材伏せ込みの作業 荒研ぎの作業
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スタッコ仕上げのテクスチュア

 

石造風の独得の素材感や重厚さを容易に得られ、質感の幅も広い

本来は、塗り付けたセメントモルタルなどの塗り材を鏝や木片で叩いて引き起こす仕上げを指したが、その後、既調合セメントリシン材や合成樹脂エマルション系の吹き付けスタッコ材も登場して工法自体も変化していき、仕上げた際の質感の幅はより広がっている。変化に富んだ凹凸紋様のテクスチュアを表現でき、石造建築風の独得の素材感や重厚さを比較的容易に得ることができる。

 

樹脂モルタルスタッコ仕上げ
歩掛 4m2/人日
特徴 厚付け仕上げ塗り材である樹脂モルタルを鏝塗りして厚さ4~10mm程度の凹凸紋様に仕上げたもの。
ドロマイトプラスタースタッコ仕上げB   色モルタルスタッコ仕上げ
歩掛 4m2 /人日
特徴 ドロマイトプラスターを厚付けして、鏝で叩いて引き上げる、本来の工法による仕上げ。
  歩掛 4m2 /人日
特徴 色モルタルを塗り付け鏝で型付けする。その後、表面が適当な締まり具合になった頃合いを見て、凸部を鏝で軽く押さえる。
色漆喰スタッコ仕上げ   糊土壁スタッコ仕上げ
歩掛 4m2 /人日
特徴 顔料を混入した漆喰を厚塗りし、鏝で叩いて引き起こして仕上げる。漆喰独特の柔らかな肌合いが感じられる。
  歩掛 4m2 /人日
特徴 色土と川砂をふのりの溶液または粉末糊で練り合わせて厚塗りしたものを、鏝押さえして仕上げる。

スタッコ仕上げ
変化に富んだ質感と重厚な高級感を表現
■特色
もともと「スタッコ」とは、米国における外部塗り壁の総称。我が国には大正時代に移入され、昭和40年頃よりマンション・大型ビルなどで頻繁に施工されるようになった。その定義は地域によって多少の幅があるが、ここでは材料にかかわらず「鏝塗り仕上げ」に限定する。変化に富んだ石造建築風の質感と重厚な風合いが特徴で、比較的コストをかけずに高級な仕上がりが実現できる。
■適した部位
住宅および一般建築の内外壁、天井などに用いられる。
■性能評価
材料により、それぞれ「セメントモルタル塗」「プラスター塗」「漆喰塗」「土壁塗」などの項を参照のこと。
※樹脂モルタルスタッコ仕上げの場合
■施工工程(樹脂モルタルスタッコ仕上げ/コンクリート下地の場合)
下塗りはモルタルを下地に塗り付け、木鏝で押さえておく。乾燥後、塗り材を下擦りして上付けする。付けしろを厚くする場合は、中塗りを行った後、上塗りする。
施工工程断面図
(樹脂モルタルスタッコ仕上げ:コンクリート下地の場合)
施工工程フローチャート
(樹脂モルタルスタッコ仕上げ:コンクリート下地の場合)
■下地(樹脂モルタルスタッコ仕上げの場合)
コンクリート下地をはじめ、セメントモルタル下地、ALCパネル下地などが一般的。
■材料と調合
スタッコに用いられる厚塗り材には、塗料に近いものから左官材料に含まれるものまで多種多様な製品が市場に出回っている。それらの材料は一般に、セメント系および合成樹脂などの結合材、砂などの骨材、顔料などで構成されている。
■仕上げ
樹脂モルタル、ドロマイトプラスター、色モルタルなどのセメント系のほか、色漆喰、糊土壁を使用したスタッコ仕上げが可能。セメント系の場合は、塗り厚が5~8mmぐらいまでは1度で塗り付けても良いが、それ以上の場合は2回に分けて塗り付ける。塗り材は鏝塗りした後、専用器具または木鏝で引き起こしをする。その後、表面が硬化した時期を見計らって凸部を軽く鏝で押さえて仕上げる(引き起こしたままで仕上がりとする場合もある)。最近では、特殊な型押しローラーで押さえて変化に富んだ紋様を付ける方法も普及している。
■メンテナンス
施工後のクレームの要因には「材料」「下地」「施工方法および施工条件」の三つが考えられる。特に表面のムラ、ふくれ、剥離などは下地に原因があることが多いので、仕上げ材ごとに指定された下地処理を確実に行うことが望ましい。
ドロマイトプラスター上塗りの施工 引き起こし(叩き)の作業

 

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掻き落とし仕上げのテクスチュア

 

骨材の選定や掻き取りの程度により、微妙な趣きの違いを演出

「荒らしもの」仕上げの一種で、表面をブラシなどで掻き取り、素材の質感を豊かに表現するもの。一般に、混入された骨材の粒度が大きければざっくりした表情になり、逆に小さいとしっとりした表情になるとともに、掻き取り量の多少により風合いに微妙な変化をつけることができる。

 

モルタルリシン掻き落とし仕上げA
歩掛 4m2/人日
特徴 川砂を混入したクリーム色のモルタルの表面を掻き落として、やや粗目に仕上げたもの。
モルタルリシン掻き落とし仕上げB   モルタル掻き落とし仕上げC   珪藻土掻き落とし仕上げ
歩掛 4m2 /人日
特徴 白セメントに骨材として寒水石を混入。表面の凹凸を掻鏝してざっくりした仕上げにしたもの。
  歩掛 4m2 /人日
特徴 聚楽色のモルタルに骨材として砂を混入し、和風の素材感を表現した落ち着いた仕上げにしたもの。
  歩掛 4m2 /人日
特徴 表面を鏝引きした後、仕上げブラッシングを施して洗い出し風に仕上げたもの。珪藻土の質感に独特の味わいがある。

 

掻き落とし仕上げ
優しく深みのある肌合いと質感が高級感を演出
■特色
骨材を混入したモルタルや珪藻土などの表面を、ブラシや鏝で掻き落とし、自然な風合いで仕上げる工法。混入する化粧用骨材の種類や配合によって、多様な表情を創り出すことができる。落ち着いた質感とたたずまいを表現できることから、高級住宅の外壁にも数多く採用されている。
■適した部位
住宅および一般建築の外壁をはじめ、塀・柱などに用いられる。
■性能評価
材料により、それぞれ「セメントモルタル塗」「珪藻土塗」の項を参照のこと。ただし防水性能がやや落ちる場合もある。
※色モルタルリシン掻き落とし仕上げの場合
■施工工程
下地の清掃を行い、吸い込み具合を調整するために下地を水で湿す。濃度の高いシーラーを塗布すると、下地への吸い込みが悪くなるので注意を要する。単色系の骨材を使用する際は、あらかじめ必要に応じて下地に骨材と同色系のモルタルを塗り、木鏝で押さえて硬化させておく。
施工工程断面図
(色モルタルリシン掻き落とし仕上げ:コンクリート下地の場合)
施工工程フローチャート(色モルタルリシン掻き落とし仕上げの場合)
■下地
セメントモルタル塗」「珪藻土塗」の項を参照のこと。
■材料と調合
化粧用骨材には、寒水石や着色した川砂、パーライトなどの軽量骨材、茶金蘭、白水晶などの鉱物粉砕物などが用いられる。セメントやプラスターと合わせて混練りする。
■仕上げ
下塗りの表面を水で湿した後、水引きを見てリシン材を塗り付ける。塗布後は、塗り付け鏝でよく伏せ込み、硬化した頃合いを見計らって、ワイヤブラシまたは鏝で掻き落とす(掻き落とし用の専用道具を用いる場合もある)。珪藻土の場合は、仕上げ材を平滑に鏝塗りした後、翌日以降十分に乾燥硬化したことを確認して、ワイヤブラシで表面を掻き落とす。外壁用仕上げ材に、蛭石や桐生砂を混入すると、深みのある質感が得られる。
■メンテナンス
セメント系リシンは、結合材がセメントであるため、夏場のドライアウトや冬場の白華現象(塗り層の可溶性塩基が表面に析出し、塩を吹いたような状態になること)が起こることがある。これらを防ぐためには、直接壁面に雨水がかからないようにするなど、壁面の水廻り処理を十分に行っておく。
粗目リシン材(骨材は寒水石)の上塗りの施工 同、掻き落としの作業 細目リシン材(聚楽色和風仕立て)の上塗りの施工 同、掻き落としの作業
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セメントモルタル塗のテクスチュア

 

重みと格のある素材感を備え、多彩なテクスチュアを表現

セメント系仕上げは、明治の近代化で登場した洋風建築により我が国に広まった。その仕上げの魅力は、その耐久性や強度もさることながら、重みと格のある素材感、経年変化で深みを増す豊かな表情などが挙げられる。さらには、多彩なテクスチュアが表現できる点が特筆されよう。

 

普通モルタル押さえ仕上げ
歩掛 6m2/人日
特徴 金鏝で強く押さえて手早く仕上げる。モルタルにプラスターや石粉などを配合すると表面が平滑に仕上がる。
普通モルタル刷毛引き仕上げ   色モルタルリシン仕上げ   モルタルドイツ壁仕上げ
歩掛 6.5m2/人日
特徴 中粒子の砂をモルタルに配合し、塗布した後、刷毛をまっすぐに引き通して仕上げる。
  歩掛  6.5m2/人日
特徴 顔料と砂を混ぜ合わせたモルタルを塗り付け定着させた後、表面を掻き落として粗面仕上げにしている。
  歩掛  4m2/人日
特徴 モルタルをブラシなどで叩きつけて表面に定着させて仕上げる。男性的で重厚な質感を提供する。「はき付け」とも言う。
色モルタル押さえ仕上げ   色モルタル刷毛引き仕上げ   擬木・擬板、擬岩仕上げ
歩掛 6m2/人日
特徴 微粉を配合した色モルタルを塗布し、時間をおかず鏝で押さえて表面をきめ細かく仕上げる。
  歩掛 6m2/人日
特徴 塗り付けたモルタルがまだ柔らかいうちに刷毛引きして仕上げる。
  歩掛 仕様によってかなりの差がある。
特徴 色モルタルを塗った後、工具を使って木目や板目などを描いて仕上げる。写真はケヤキ板を模した擬板仕上げ。

セメントモルタル塗
バランスのとれた性能を備え、多様な塗り仕上げが可能

 

■特色
ポルトランドセメントを主材料にした塗り工法。建築材料として十分に満足しうる強度・耐水性・防火性を備え、しかも材料の普及度や経済性も高い。そのため現在最も普及した工法の一つとなっている。通常は各種塗り材の下地として施工される場合が多いが、混和材料や骨材を調整することによって、多様な性質と表情を備えた仕上げ塗りが可能である。

 

■適した部位
住宅および一般建築の外壁、床、塀をはじめ広範な部位に用いられる。最近では外壁を漆喰塗り仕上げする際の下地に施工するケースも多くなってきている。

 

■性能評価
延焼防止の効果があり、木造住宅でも外壁をモルタルで覆うことにより防火性が向上する。強度・剛性が高いため、しっかりとラス貼りされたモルタル壁は簡単には壊れない。また、コンクリートに比べて防水性が大きく、仕上げに適した材料と言える。
グラフ

 

■施工工程
乾燥による収縮が大きく、剥離、ひび割れが発生することがあるので、一工程内の作業については乾燥時間に留意しながら作業を進める。特に鏝押さえの場合、時間をおいて押さえると付着力が損なわれるおそれがあるので、手早く仕上げる必要がある。逆に工程と工程との間では、十分に時間をおいて乾燥させ、硬化をはかってから次の工程に進む。なお、仕上げ厚が20mm以下の天井・壁は中塗りを省略する場合がある。
施工工程フローチャート
( コンクリート下地の場合)
施工工程フローチャート
( コンクリート下地の場合)
■下地
セメントモルタルの下地としては、メタルラス、ワイヤラス、ラスシートなどのラス下地とコンクリート、レンガ、ALCパネル、PCパネルなどの躯体下地に大きく分類される。ラス下地の場合、使用するラスは強度のあるものを選び、ラスとモルタルを強く結束させる必要がある。一方、躯体下地では、剥落防止のために、合成樹脂エマルションの混和もしくは塗布を行うなどの付着性を重視した処理が不可欠。

 

■材料と調合
 
セメント
川砂
下塗り
1
中塗り
1
2.5
上塗り
1
3

セメントモルタルは下・中塗り用、仕上げ塗り用、薄塗り用など、用途に応じて各種の混和剤を混入して使われることが多い。また、それぞれの用途に対応した既調合材料の使用も一般に普及してきた。

 

■仕上げ
【刷毛引き仕上げ】塗布したモルタルの表面がまだ柔らかいうちに、刷毛目正しく水平に引き通して仕上げる。吹き付け仕上げの処理として扱われることも多い。
【金鏝押さえ】木鏝でならしたモルタル表面を手早く金鏝(仕上げ鏝)で強く押さえて仕上げる。とくに既調合の軽量モルタルはこの仕上げに適しており、塗り付けとともに仕上げるのが原則。
【色モルタル仕上げ】中塗り後、その上に色モルタルを塗り厚5mm以上に塗る。
【掻き落とし仕上げ】中塗り後、その上に仕上げ材を6mm以上塗布し、硬くなった頃合いを見て、鏝・金ぐし・ブラシなどの道具でムラなく掻落として仕上げる。混入する砂の粒度を下げると、しっとりした表情を出すことができる。

 

■メンテナンス
近年しばしば発生する酸性雨によって、モルタルが中性化してラスがさび、モルタル表面の剥落を引き起こすことがある。これを防ぐためには防さび処理したラスを使用し、繊維などの混和材料を混入したモルタルを用いるなど、ひび割れを入れないような対策を講じる必要がある。

 

下地シーラー塗りの施工 中塗り(モルタル塗り付け)の施工 中塗り(櫛目引き)の施工 ドイツ壁仕上げの作業
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プラスター塗のテクスチュア

 

内装用途に広く適応。平滑で質感のある純白の仕上がり

石膏プラスター塗とドロマイトプラスター塗は、ともに平滑で純白の仕上がり面が得られるという点が共通するが、石膏プラスターは、混入する骨材の粒度や顔料などによって、より変化に富んだ高い質感が得られることが特徴。一方、ドロマイトプラスターはその作業性の良さから、可塑性の高いテクスチュア表現に適している。

 

ドロマイトプラスター押さえ仕上げ
歩掛 5m2/人日
特徴 仕上げ鏝で撫であげた後、水刷毛で仕上げる。きめの細かい仕上がり面を比較的容易に得ることができる。
ドロマイトプラスター叩き仕上げ   石膏プラスター押さえ仕上げ
歩掛 4.5m2 /人日
特徴 素材の持つ可塑性の高さ、作業性の良さを活かしたテクスチュア。変化に富んだ表情を提供する。
  歩掛 5m2 /人日
特徴 石膏独特の豊かな質感をそなえた純白の仕上がり面。混入する砂の粒度によってその表情は多彩。

 

  

プラスター塗

成形の自由度と作業性に優れ、幅広い用途に多彩な表現が可能。
■特色
純白で平滑な仕上がり面を比較的容易に得ることができる。しかも成形の自由度が高く、多彩な「荒らしもの」のパターン表現も可能。石膏プラスターは乾燥に伴う収縮がほとんどないため、壁面に亀裂が生じにくいという利点があり、ドロマイトプラスターは、糊材を必要としないため混練りが容易で作業性が良い。強度は石膏プラスターの方が強い。
■適した部位
石膏プラスターを塗った石膏ラスポード下地は、屋内の塗り壁下地としては最も一般的。一方ドロマイトプラスターは、その作業性の良さから、鉄筋コンクリート建造物の内部で多く使用されている。
■性能評価
石膏プラスターは、火災時に多量の水分を放出して温度の上昇を抑えるため、防火・耐火性は高いと言える。その半面、保水性が高いため水気の多い場所には適さない。また、十分な硬度を備えており耐久性は高い。
■施工工程(石膏プラスター塗)
練り合わせした塗り材は、およそ1時間前後で凝結し始めるため、必要量だけを練り合わせるようにし、できるだけ迅速に作業を進める。石膏ラスボード下地の場合、下塗り・中塗りはボード用石膏プラスターを用い、上塗りは混合石膏プラスターで行う。その他の下地については、主にセメントモルタルで下塗り、ムラ直し、櫛目入れなどを行い、2週間以上かけて完全に乾燥させた後、混合石膏プラスターを用いて中塗り、上塗りを行う。塗り作業中はできるだけ通風をなくし、急な硬化を防ぐとともに、直射日光が当たらないように留意する。
施工工程断面図
(石膏プラスター塗:石膏ラスボード下地の場合)
施工工程フローチャート
(石膏プラスター塗:石膏ラスボード下地の場合)
■下地
石膏ラスボード下地のほか、コンクリート系、レンガ、ラス、ALCパネル、PCパネルなどが使用される。ただしドロマイトプラスター塗でALCパネル、PCパネルなどの平滑で吸水性の高い下地を使用する際には、十分な付着力が得られないことがあるため、その対策として、接着増強剤などを塗布して付着力を高めるようにする。
■材料と調合
 
石膏プラスター
川砂
下塗り
1(ボード用)
1.5
中塗り
1(〃)
2.0
上塗り
1(混合石膏プラスター・上塗り用)
0
※石膏ラスボード下地の場合

石膏プラスターは、練り合わせる水と川砂の量で強度を調整する。材料は速乾性が高いので、練り合わせ時間は5分を目安に収めるようにし、一度に多量の練り合わせは避ける。なお、ドロマイトプラスターにセメントの混入は避ける。

■仕上げ
上塗り終了後、水引き加減を見て仕上げ鏝で撫で上げる。最後に水刷毛で仕上げていくと、滑らかで純白の仕上がり面が得られる。逆に艶消しで仕上げる場合は、プラスター刷毛に水を含ませ、直線に刷毛引きして表面の鏝光りを消す。このほか、櫛引きやワイヤブラシ引きなど「荒らしもの」としてさまざまなパターンをつけたり、調色の具合や砂の粒度を変えることで魅力的な質感を表現することができる。
■メンテナンス
施行後、数年たって表面にひび割れや剥離が起こることがある。その対策として、下地に下擦りや、ムラ直し、櫛目入れなどの処理を丁寧に施しておく必要がある。特に石膏ラスボード下地の場合は、ボードの継ぎ手部分に貫張りを伏せ込むなど、亀裂防止のための処理を施す。その際、ボード止め用の釘類は亜鉛溶融メッキされたものを使用する。
ボード用石膏プラスター中塗り木鏝仕上げの作業 仕上げ鏝押さえの作業
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