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セメントモルタル塗のテクスチュア

 

重みと格のある素材感を備え、多彩なテクスチュアを表現

セメント系仕上げは、明治の近代化で登場した洋風建築により我が国に広まった。その仕上げの魅力は、その耐久性や強度もさることながら、重みと格のある素材感、経年変化で深みを増す豊かな表情などが挙げられる。さらには、多彩なテクスチュアが表現できる点が特筆されよう。

 

普通モルタル押さえ仕上げ
歩掛 6m2/人日
特徴 金鏝で強く押さえて手早く仕上げる。モルタルにプラスターや石粉などを配合すると表面が平滑に仕上がる。
普通モルタル刷毛引き仕上げ   色モルタルリシン仕上げ   モルタルドイツ壁仕上げ
歩掛 6.5m2/人日
特徴 中粒子の砂をモルタルに配合し、塗布した後、刷毛をまっすぐに引き通して仕上げる。
  歩掛  6.5m2/人日
特徴 顔料と砂を混ぜ合わせたモルタルを塗り付け定着させた後、表面を掻き落として粗面仕上げにしている。
  歩掛  4m2/人日
特徴 モルタルをブラシなどで叩きつけて表面に定着させて仕上げる。男性的で重厚な質感を提供する。「はき付け」とも言う。
色モルタル押さえ仕上げ   色モルタル刷毛引き仕上げ   擬木・擬板、擬岩仕上げ
歩掛 6m2/人日
特徴 微粉を配合した色モルタルを塗布し、時間をおかず鏝で押さえて表面をきめ細かく仕上げる。
  歩掛 6m2/人日
特徴 塗り付けたモルタルがまだ柔らかいうちに刷毛引きして仕上げる。
  歩掛 仕様によってかなりの差がある。
特徴 色モルタルを塗った後、工具を使って木目や板目などを描いて仕上げる。写真はケヤキ板を模した擬板仕上げ。

セメントモルタル塗
バランスのとれた性能を備え、多様な塗り仕上げが可能

 

■特色
ポルトランドセメントを主材料にした塗り工法。建築材料として十分に満足しうる強度・耐水性・防火性を備え、しかも材料の普及度や経済性も高い。そのため現在最も普及した工法の一つとなっている。通常は各種塗り材の下地として施工される場合が多いが、混和材料や骨材を調整することによって、多様な性質と表情を備えた仕上げ塗りが可能である。

 

■適した部位
住宅および一般建築の外壁、床、塀をはじめ広範な部位に用いられる。最近では外壁を漆喰塗り仕上げする際の下地に施工するケースも多くなってきている。

 

■性能評価
延焼防止の効果があり、木造住宅でも外壁をモルタルで覆うことにより防火性が向上する。強度・剛性が高いため、しっかりとラス貼りされたモルタル壁は簡単には壊れない。また、コンクリートに比べて防水性が大きく、仕上げに適した材料と言える。
グラフ

 

■施工工程
乾燥による収縮が大きく、剥離、ひび割れが発生することがあるので、一工程内の作業については乾燥時間に留意しながら作業を進める。特に鏝押さえの場合、時間をおいて押さえると付着力が損なわれるおそれがあるので、手早く仕上げる必要がある。逆に工程と工程との間では、十分に時間をおいて乾燥させ、硬化をはかってから次の工程に進む。なお、仕上げ厚が20mm以下の天井・壁は中塗りを省略する場合がある。
施工工程フローチャート
( コンクリート下地の場合)
施工工程フローチャート
( コンクリート下地の場合)
■下地
セメントモルタルの下地としては、メタルラス、ワイヤラス、ラスシートなどのラス下地とコンクリート、レンガ、ALCパネル、PCパネルなどの躯体下地に大きく分類される。ラス下地の場合、使用するラスは強度のあるものを選び、ラスとモルタルを強く結束させる必要がある。一方、躯体下地では、剥落防止のために、合成樹脂エマルションの混和もしくは塗布を行うなどの付着性を重視した処理が不可欠。

 

■材料と調合
 
セメント
川砂
下塗り
1
中塗り
1
2.5
上塗り
1
3

セメントモルタルは下・中塗り用、仕上げ塗り用、薄塗り用など、用途に応じて各種の混和剤を混入して使われることが多い。また、それぞれの用途に対応した既調合材料の使用も一般に普及してきた。

 

■仕上げ
【刷毛引き仕上げ】塗布したモルタルの表面がまだ柔らかいうちに、刷毛目正しく水平に引き通して仕上げる。吹き付け仕上げの処理として扱われることも多い。
【金鏝押さえ】木鏝でならしたモルタル表面を手早く金鏝(仕上げ鏝)で強く押さえて仕上げる。とくに既調合の軽量モルタルはこの仕上げに適しており、塗り付けとともに仕上げるのが原則。
【色モルタル仕上げ】中塗り後、その上に色モルタルを塗り厚5mm以上に塗る。
【掻き落とし仕上げ】中塗り後、その上に仕上げ材を6mm以上塗布し、硬くなった頃合いを見て、鏝・金ぐし・ブラシなどの道具でムラなく掻落として仕上げる。混入する砂の粒度を下げると、しっとりした表情を出すことができる。

 

■メンテナンス
近年しばしば発生する酸性雨によって、モルタルが中性化してラスがさび、モルタル表面の剥落を引き起こすことがある。これを防ぐためには防さび処理したラスを使用し、繊維などの混和材料を混入したモルタルを用いるなど、ひび割れを入れないような対策を講じる必要がある。

 

下地シーラー塗りの施工 中塗り(モルタル塗り付け)の施工 中塗り(櫛目引き)の施工 ドイツ壁仕上げの作業
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