「健康住宅研究会」指定の有害6物質

1.ホルムアルデヒド
用途 合成の接着剤、建築用接着剤、防腐剤
毒性 発ガン性、アトピー、ぜんそく

2.トルエン 3.キシレン
用途 油性塗料、シンナー、接着剤、ワックス
毒性 発ガン性、中枢神経毒性
4.木材保存剤
用途 土台や木材の防腐・防虫を目的に使用
毒性 発ガン性、神経毒性
5.可塑剤
用途 塩化ビニール(燃焼するとダイオキシンを発生)を柔らかくするために添加。 ビニールクロスに40~60%含まれる
毒性 発ガン性、生殖異常、催奇形性、内分泌異常、環境ホルモン
6.シロアリ駆除剤
用途 床下への散布。土壌処理として
毒性 急性毒性、神経毒性、視力障害
【春 男】 住む人の健康より、コストや利便性を優先させてしまった結果ですね。たとえば、シロアリが出たといえば、強い農薬で殺してしまえば手っとり早いと考える。本当は、立地や床下に使う建材にこだわり、シロアリのエサになるようなものを床下に残さないように気をつけて、通風をよくしておけば、シロアリを寄せつけずにすむんです。シロアリ駆除剤は有機リン系やピレスロイド系のものが使われており、人の健康を蝕むと同時に、環境にも悪影響を及ぼす化学物質なのです。手間や必要な経費をかけずにすませようとする考え方が一番の問題点かもしれません。
【池 本】 最近は、健康志向で、少し考え方が変わってきているようです。私たちもイベントで相談コーナーを設けたり、アンケートをとったりして、エンドユーザーのニーズを知ろうと努めていますが、たとえば1m2あたり1,000円高くついても、家族が健康に暮らせるのなら、高くても構わないという方が増えています。若い人でも意外にコスト優先ではなく、健康を優先させたいと思っているようです。
【春 男】 私は健康的な住まいというのは、トータルで考えると、けっしてコスト高ではないと考えています。病院に行ったり、仕事が手につかないような状態になる方がどけだけマイナスかしれません。夏涼しく、冬暖かければ、冷暖房費も少なくてすむわけです。それに直接の経費も、意外に割高ではなかったというケースも知っています。Mさんという方が、アトピーの子供たちのために、青森ヒバに地元の木材、土佐漆喰、手すき和紙といった質のよいものばかりを集めて、マイホームを建てられたのですが、工務店が最初に持ってきた、ビニールクロスや新建材を使った場合の見積もりより、最終的に安く仕上がったそうです。
【池 本】 そういうことを、私たちはもっとアピールすべきなのですね。
【春 男】 そう思います。97年5月に、4省合同(建設省、厚生省、通産省、林野庁)の「健康住宅研究会」が、現在の建材に使用されている有害物質のうち、とくに問題のある6物資を取り上げて、建材メーカーや建築業界に向けて使用の削減を要請しています。伝統的な塗壁には、これらの有害物質が含まれていないんです。そういう大切なことを、もっと多くの人に知っておいてほしいですね。
【池 本】 私たちの責任は重大です。
【春 男】 壁面は室内で最も広い面積を占めるわけですから、住宅建材を選ぶときに最も留意すべきところです。塗壁ならば、室内環境汚染の原因となるものが含まれていないというだけでなく、非常にたくさんのメリットがあります。塗壁は、1度施工してしまえば長期間もちます。断熱性や遮音性に富んでいるので、冷暖房のエネルギーが少なくてすむということは、CO2の問題とも関わってきます。それに燃えにくい材料ですから、火災になりにくい、自然素材ならばこそのことなのですが、心理的なやすらぎも得られます。それにもうひとつ、大切なことだと思うのですが、使い終わったときに、ダイオキシンや重金属類といつたものを発生させて環境を汚染するということもありません。
【池 本】 すでに私ども日左連では一部で取り組みを開始していますが、今後、塗壁は人にも環境にもやさしいということを、多くの人々にいっそう積極的に訴えていこうと考えています。

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