安全な居住環境

安全な居住環境

古代から左官は安全な居住環境の担い手

 日本の塗り壁の大きな特徴はヨーロッパや中国のように耐力壁ではなく、古代より明治に至るまで一貫として非耐力壁でありました。現存する日本最古の辞書、倭名類聚抄によると、壁とは「加閉」と読まれ「室之屏蔽也」(室のしきり)と明記されています。

 壁の「か」は、すみか・ありかの「か」で仮の「か」でもあり「へ」は「隔てる」の意味で「室を仮に隔てるもの」とされてきました。法隆寺建設以来、長い歴史の中で培われた土壁や漆喰の現在の左官工法は日本建築とともに独自の工法、デザインとして伝統工法として息づき、そして現代の合理的工法をも加味されています。

室内汚染による病気

「より快適な住宅」と「老朽化住宅の改善」を塗り壁で実現
小俣一夫先生(日本建築仕上材工業会 副会長・技術委員長/技術士)

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構造安全

地震エネルギーを吸収し、且つ高い剛性で木造軸組の変形を小さく保つ
難波蓮太郎博士(工学院大学名誉教授、滋賀県立大学非常勤講師)

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防災的安全

地震時の延焼防止からみた伝統構法の土壁の防火性能
長谷見雄二博士 (早稲田大学教授)

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アメニティー

アメニティー追求の塗り壁とその資料
 

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環境共生

塗り壁で人と環境にやさしい建築をめざして
高橋 元先生(ひと・環境計画)

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国際・情報化

国際化、地球環境の保全と外壁の改修
近藤照夫博士 (ものつくり大学教授)

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安全な居住環境(室内汚染による病気)

 吉田兼好の「徒然草」に「家の作りは夏をむねとすべし。冬はいかなる所にも住まる。暑き比わろき住宅は、堪へがたき事なり。」とあるように、高床で開放的な住宅がよいとしました。一方では農民、一般民衆の住宅では夏の暑さより冬の寒さから身を守る方を優先し建物全体を土壁で覆い断熱効果を高めました。ここで使われた左官の塗り壁は古来からの伝統的建物で育まれ、歴史的にも断熱性・吸放湿性・防火性と様々な機能に富んでいることは十分証明されてきています。

 さらに塗り壁はVOCを吸収して化学物質過敏症対策に効果があることが判明してきています。そもそも、左官材料は自然素材が中心であるため解体後は自然にもどります。塗り壁は人の手によって仕上げられ、その肌合は優しさがあり人々をリフレッシュさせます。その塗り壁の良さを小俣一夫先生は次のように述べています。

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安全な居住環境(構造安全)

 1995年1月17日に起きた阪神淡路大震災では木造軸組住宅の問題点が顕著に露呈したことは記憶に新しい事であります。瓦の重量、木材の腐食、住宅の耐用年数そして施工不良などの全ての要因が絡み合い、安全であると言われてきた木造住宅が多数倒壊しました。左官に関わる部分では、外壁のラスモルタル仕上げが剥落したものが見られました。これらの建物の多くが住宅金融公庫その他の仕様基準を下回るものであり、また可成り経年した住宅でもありました。果たして木造軸組住宅は安全なのでしょうか?

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安全な居住環境(防災的安全)

地震時の延焼防止からみた伝統構法の土壁の防火性能

 阪神淡路大震災では、土壁の伝統的な住宅に倒壊等の大きな被害が集中し、倒壊した市街地で延焼大火が起こったといわれています。しかし、伝統的な建物に被害が多かったのは、プレハブ等の工業的な住宅に比べて歴史が長いため、すでに老朽化しているものが多かったり、戦後の物資の不自由な時代に建てられた住宅が少なくなかったことにもよると考えられ、事実、その後の調査では、伝統構法を忠実に守って丁寧に施工された木造住宅は激震地にあっても健全であり、古い建物でも、適切に維持管理されたものは、高い耐震性能があったことが判明しました。

 さて、土壁の伝統木造については、防火性能も、従来、土蔵と土塗り壁裏返し塗りが防火構造に認められているだけで、準耐火構造は全く存在しなかったばかりでなく、昨年の建築基準法改正では更にこれらの土壁の屋内側に石膏ボード等の補強を行わないと防火構造とならないという規制強化がされるなど、伝統木造の継承や土壁を活かしたまちづくりには大きな壁としてたちふさがった感があります。しかし、土壁は、ほんとうにそんなに火事や地震に弱いのでしょうか。

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安全な居住環境(アメニティー)

弱者対応、アメニティー追及の塗り壁とその資料

 高齢化社会になりバリアフリー化が叫ばれていますがバリアフリーとは単に床の段差が無くなって、車椅子での移動が楽になるだけではありません。新築建物が漆喰や珪藻土で塗られ、リフォームによって塗り替えられた室内は弱者対応,アメニティーの追及であり、その空間こそが普段の快適生活状態にさせるまさにバリアフリーといえるのではないでしょうか。

 しかし、それは実績にも基づいた根拠あるものでなくては成りません。以下に掲げるデータによっても左官塗り壁のよさが理解していただけるとおもいます。

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安全な居住環境(環境共生)

塗り壁で人と環境にやさしい建築をめざして

 ひと・環境計画の建築家高橋先生は

健康な建築をめざして
地球にやさしい建築をめざして
自然と共生する計画をめざして

 をコンセプトにして長年研究し、それを設計活動に生かし多くの作品を手がけていることで有名です。高橋先生は環境共生の関わりの中で、左官材料に関して次のように述べています。

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安全な居住環境(国際、情報化)

左官施工のリフォーム工事でイメージアップ

 現在、既存建築のストックが量的にはある程度確保されており、今後はリフォームもさることながら、リニューアル市場が拡大することが予想されています。近年リフォームの動機となる二一ズが次々と付加され、ますます多様化していますし、これがリフォーム市場の増大をさらに促進しています。

 左官施工でのリフォーム工事は既存ストックに新たな機能・価値を付加することが可能で、なおかつ既存の外壁を壊さず、廃棄物を出さないことも可能にします。これはリフォームを行うことによって、実質的な資産の増加ともなるものです。建築物のリフォームに伴う新技術の左官工事を駆使した工法は外壁複合改修構工法として提案されています。

 その推進者である近藤照夫博士(ものつくり大学教授)は、今後のリフォームを次のように提案し予測しています。要約して記述します。

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