名刹の回廊に漆喰塗が創出する
「のたぐり」の幽玄なまでの美しさ

開山堂への回廊全景

左に開山堂、右に法堂(国指定重要文化財)がある


方丈への回廊

漆喰の白の鮮やかさと「のたぐり」の玄妙な表現


臨済宗相国寺派の大本山であり、京都五山の名刹として知られる相国寺。その事実上の開山である普明国師(春屋妙葩)の600年御遠忌に先立って、法堂と開山堂、法堂と方丈をつなぐ2つの回廊の漆喰塗施工が実施された。これは、化粧直しとともに、防火対策を目的としたものである。回廊に入って見上げると、天井がゆったりと波打っているように見える。垂木の形をそのまま生かし、その上に漆喰を塗った「のたぐり」という表現である。手間暇を惜しまない高度な技術が要求されるという。それ以外も、柱・梁・破風などのすべてにわたって、一点の瑕瑾も見あたらない精妙な仕上げとなっている。

左官施工 有限会社田代干治店
主な左官仕様 柱・天井・梁・破風:漆喰塗