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安全な居住環境(国際、情報化)

左官施工のリフォーム工事でイメージアップ

 現在、既存建築のストックが量的にはある程度確保されており、今後はリフォームもさることながら、リニューアル市場が拡大することが予想されています。近年リフォームの動機となる二一ズが次々と付加され、ますます多様化していますし、これがリフォーム市場の増大をさらに促進しています。

 左官施工でのリフォーム工事は既存ストックに新たな機能・価値を付加することが可能で、なおかつ既存の外壁を壊さず、廃棄物を出さないことも可能にします。これはリフォームを行うことによって、実質的な資産の増加ともなるものです。建築物のリフォームに伴う新技術の左官工事を駆使した工法は外壁複合改修構工法として提案されています。

 その推進者である近藤照夫博士(ものつくり大学教授)は、今後のリフォームを次のように提案し予測しています。要約して記述します。

近藤照夫博士
(ものつくり大学教授)

 わが国における建築物の耐久性や保全性に関する本格的な研究は、1980年(昭和55年)から5年間にわたって建設省で推進された官民連帯共同研究「建築物の耐久性向上技術の開発」総合技術開発プロジェクトが最初でした。それ以前は、高度経済成長政策に則り、合理的な設計・施工技術が研究開発されて建設工事が推進され、劣化や損傷が顕著になれば、解体して作り直すというスクラップアンドビルドの考え方が一般化していました。1970年代の世界的な石油危機を背景として耐久性の確保や向上を図り、劣化損傷に対しては適切な診断に基づく的確な補修や改修を施こしていく保全(メンテナンスアンドモダナイゼーション;Maintenance & Modernaisation)の考え方が、理解されるようになったのです。

 日本のみならず、建築保全に対する関心は国際的にも高まり 、cib(国際建築研究情報会議)では1年おきに国際シンポジウムを開催して、「建築の保全と改修」に関する研究報告と意見交換の場を提供しています。このように、建築物の耐久性や保全に対する関心や研究開発は日本のみならず、国際的にも積極的に推進されているのが現状です。

 また、数年前から国の内外を問わず大きな関心を集めているテーマとして地球環境の保全があり、保全のための達成レベルが国際的に設定されていることは周知の通りです。建築保全の立場で考えると、補修・改修工事によって発生する廃棄物を削減して、材料の再使用や再生利用を推進することが重要になります。したがって、建築物の外壁改修工事においても、既存の材料を廃棄物として排出することなく、再使用や再生利用を検討しなければならず、外壁複合改修構工法(通称:ピンネット工法)はその一例です。また、地球環境にやさしい材料(例えば、珪藻土など)を適用することも重要になります。

 改修工事における廃棄物の低減や外壁の剥落安全性の確保を主要な目標として開発された当該構法は、技術データが蓄積されて施工実績が着実に増加しています。21世紀を向かえ、我が国においても改修工事が増加を続けて建築工事全体の50%程度を占めることはほぼ間違いが無い事実であり、地球環境保全に配慮した改修技術の開発をますます推進していかなければならないでしょう。