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安全な居住環境(アメニティー)

弱者対応、アメニティー追及の塗り壁とその資料

 高齢化社会になりバリアフリー化が叫ばれていますがバリアフリーとは単に床の段差が無くなって、車椅子での移動が楽になるだけではありません。新築建物が漆喰や珪藻土で塗られ、リフォームによって塗り替えられた室内は弱者対応,アメニティーの追及であり、その空間こそが普段の快適生活状態にさせるまさにバリアフリーといえるのではないでしょうか。

 しかし、それは実績にも基づいた根拠あるものでなくては成りません。以下に掲げるデータによっても左官塗り壁のよさが理解していただけるとおもいます。

大津磨き仕上げをしている久住章氏 漆喰を塗っている作業現場
東京都武蔵野市にある、特別養護老人ホーム「親の家」(設計象設計集団)では内壁を珪藻土塗り壁と大津磨きで仕上げられ、まさに「癒し空間」が創出されました。
【1】ホルムアルデヒドの人体影響
影響 ホルムアルデヒト濃度(ppm)
推定中央値 報告値
におい検知識値 0.08 0.05~1
目への刺激識値 0.4 0.008~1.6
喉の炎症識値 0.5 0.08~3
鼻・目への刺激 2.6 2~3
流涙(30分なら耐えられる) 4.6 4~5
強度の流涙(1時間しか耐えられない) 15 10~21
生命の危険 31 31~50
死亡 104 50~104

 表は、ホルムアルデヒドが人体へ及ぼす影響について、ECAが濃度との関連を示したものですが、日本でのホルムアルデヒド濃度の基準は平成9年の厚生省の発表した「30分平均値として0.08ppm」としており、この値は表よりにおい検知識値になっています。

 室内空気汚染化学物質には、ホルムアルデヒド、揮発性有機化合物(VOC),それ以外では防腐剤、防虫剤等と大きく分類して3種類となります。現在、どんなにノンホルマリンの建材によって住宅が建築されたとしても、居住者の家具や電気製品で値は高くなり、0.04ppm以下にすることは至難とされています。

 また、濃度を測定する際に温度や湿度に左右され、同室でも室温が低いときは濃度が低く、室温が高いときは濃度が高くなります。例えば室温だ20℃から28℃になると化学物質の放射濃度は2倍近く高くなるというデータもあります。1ppmの濃度とは体積比で表したもので1mの立方体中に1cmの立法体があるということです。

【2】吸放湿性能の比較

1サイクル:20℃、90%RH(24h)→20℃、50%RH(24h)

 最近、調湿性仕上塗材のカタログ等でよく見かける表です。せっこうボードに調湿性仕上塗材を塗り付け、高湿度の90±5%に24時間放置し、試験体重量を測定し吸湿状況確認し、次ぎに低湿度の45±5%に24時間放置し、再び試験体重量を測定し放湿状況確認します。これを2サイクル行い吸放湿曲線を作成、吸放湿特性値(g/平方メートル)にしたものが上記の表です。

 図のグラフの線が急勾配であるほど吸湿放湿反応性が高いという特徴があります。実験に使用した珪藻土は1平方メートルにつき1日約80gの室内空気の湿度を吸ったり、吐いたりする能力があり結露防止に役立ちます。しかし、ビニルクロスは約20gしかなく、その上放湿の放力が劣るため、水分を徐々にビニルクロスに抱え込んでしまいます。これが結露やその後カビの発生の原因ともなります。珪藻土系内装仕上材は、ビニルクロスに比べ吸湿量、放湿量が大きく、よって室内の湿気のコントロールに有効なことが判明します。

【3】各種内装材透湿量の比較

g/m2・24h

 透湿性を測る方法は、JISやASTMに規格化されていますが、その方法にも2種類あります。

 1つは容器の中に塩化カルシウム(吸湿剤)を入れ塗膜でふたをして、湿度の高い恒温恒湿器に入れ、容器の質量増加を経時的に測定する方法です。もう1つは容器の中に水を入れ塗膜でふたをして、湿度の低い恒温恒湿器に入れ、容器の質量減少を経時的に測定する方法です。

 内装材の場合は、外装材と比較して防水性が不要です。この表によって室内の湿気の調整や結露防止には 珪藻土系内装材がビニルクロスに比べると効果があると解釈できます。従ってビニルクロスに比べ、湿気の吸収や放出が大きく(吸湿性、透湿性)室内の湿度変化を少なくできます。雨が降っても室内がじめじめしない、結露が生じにくくカビの発生も抑制する快適空間になります。

 また珪藻土系内装材の製品によってはホルムアルデヒド等を吸収し再放出しないため、ビニルクロスによってホルムアルデヒド等が放出されている室内の塗り替えリフォームにも有効であり、もちろん、新築でも珪藻土系内装材はホルムアルデヒドが発生しませんのでビニルクロスより健康に害のない仕上げであるといえます。

【4】珪藻土系内装壁の消臭効果(消臭率%)

測定環境:室温25℃、湿度70%RH

実験開始後 30分 60分 120分 24時間
アンモニア 97.0 100.0 100.0 100.0
アセトアルデヒト 33.3 38.9 50.0 72.2
酢酸 94.2 100.0 100.0 100.0
ホルムアルデヒト 40.0 40.0 40.0 60.0
トルエン 30.0 30.0 30.0 50.0
メチルメルカプタン 18.8 19.4 25.8 91.8

 この表での試験方法は、試験体を密閉容器に入れ、その容器の中に一定濃度のガス(例えばアンモニア)を注入した場合の、容器の中の濃度変化を測定したものです。

 アンモニアの場合でしたら、100ppmのアンモニアを容器に入れたところ、30分後では3ppmになった(97%が吸収された)との結果です。つまり、24時間後のデータからすれば、アンモニア=酢酸>メチルメルカプタン>アセトアルデヒド>ホルムアルデヒド>トルエンの順で、塗材に吸収されやすいということです。

 なお、塗材が一旦ガスを吸収しても、それをガスのない容器中に放置すれば、今度は塗材の中からガスが容器中に放出されることも想定されます。しかし多くの珪藻土系内装材メーカーは、塗材中にガスを分解したり閉じ込めたりする研究をし、その原料を添加したり、塗材中に吸収したガスが再び放出しないように工夫しています。

【5】外壁仕上材の透湿性能の比較

 透湿性を測る方法は、JISやASTMに規格化されていますが、その方法にも2種類あります。1つは容器の中に塩化カルシウム(吸湿剤)を入れ塗膜でふたをして、湿度の高い恒温恒湿器に入れ、容器の質量増加を経時的に測定する方法です。もう1つは容器の中に水を入れ塗膜でふたをして、湿度の低い恒温恒湿器に入れ、容器の質量減少を経時的に測定する方法です。

 このグラフからは、無機透湿性外装材(主に珪藻土の外壁材料)が最も透湿性のあることが判ります、今まで外壁に求められた機能は防水効果が主体でしたが、今後は吸収した躯体中の湿度を逃がす効果も必要と考えられます。外装材に要求される機能は、室内への雨もりを抑制すること、美観が確保できること、躯体の保護効果であり、防水性がありしかも透湿性があれば鉄筋や木質材の腐食の抑制に有効です。無機透湿性外装材の製造メーカーでは防水効果を高めることも配慮しており、より高性能な外壁が日左連の会員の手によって塗られています。