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素材と工法(素材:せっこう系結合材料)

 

 

せっこう系結合材料

せっこうには、「石膏」、「石こう」、「せっこう」、「セッコウ」、と4種類の書き方があるのは「膏」の字が非当用漢字のためです。建築関連では「せっこう」と記述されているので、ここではこの文字を用います。せっこうは石灰と同様に地下資源として天然の石の形で採掘されており、世界中に広く分布しており文明発祥の地の中近東から地中海沿岸地域にかけて特に豊富に産出されていますが、日本では天然せっこうの産出量は少量です。せっこうは柔らかくて産出しやすく、焼成する温度が石灰に比べて低温の130℃~170℃で3時間ほであるために、数千年前に人類が手にすることができた最初のセメント材料であったといえます。

我が国において、せっこうの歴史は明治年間に擬洋風の建築が建造され、天然せっこうの輸入とともに、焼きせっこうの製造が始められましたが、従来の漆喰塗りが主流であったため、あまり使用されませんでした。戦後アメリカの進駐とともに施設・設営にせっこうプラスターの調達によってせっこうプラスターの製造が始まりました。そして、できたのが半水せっこうに消石灰あるいはドロマイトプラスターを混合した混入せっこうプラスターであります。その後は、天然せっこうを用いないで、副産せっこうを主体したボード用せっこうプラスターが製造され、せっこうラスボードの下地への使用の普及とともに生産を増加させてきました。

【1】ボード用せっこうプラスター
電子顕微鏡写真
ボード用せっこうプラスター X1000
せっこうはセメントと異なり強度は冬に大、夏に小となります。写真の結晶は低温ほど溶解度が大きくなり、夏場は冷却水を使用すると強いせっこうが得らます。

左官用のせっこうプラスターの大きな特徴は、固まるに伴って膨張することです。これは、せっこう特有の針状結晶の状態で硬化するためです。硬化過程でできる、毛状は見かけ上、膨張します。また、 せっこうプラスターの混水量が多いと凝結時間が遅れ、膨張も小さく、圧縮強度も低下します。水や細骨材の不純物によっても凝結時間、強度など影響を及ぼすことがあるで注意が必要です。最近では既調合のボード用せっこうが販売されかつてのようなことが起きなくなりました。せっこうの付着の機能は針状結晶が生成されることによってボード厚紙に刺さり込むようにして、機械的に接着させます。元来左官材料は土でも、漆喰でも防火的効果を備えていますが、壁となって固まった二水せっこうは、結合水で20%前後も持ち併せています。塗られたせっこうプラスターが防火性に優れている理由はこの結合水が火災の際に蒸発しバリアになるためです。中性に近い弱酸性ですから、その上の仕上げ仕様は京壁、漆喰壁等多くの仕上げが選択できます。

【2】ボード用既調合せっこうプラスター
ボード用せっこうプラスターに軽量骨材を混入したのもので、現場で砂を混入する必要が無く軽量で作業労力を軽減させ、下地の接着性もよく、施工精度も優れています。硬化時間に変動がなく一定であるため作業計画が組みやすいのも特徴のひとつです。
【3】薄塗り用せっこうプラスター
α系せっこうを主材にしており既調合せっこうプラスターより細骨材は小さめになっています。下地はボード用せっこうプラスターと異なりコンクリート・ALC板下地、発砲樹脂、発砲ウレタン下地の施工ができます。表面硬度が高いので張り物や塗装の下地としても応用できます。